Cafe de Viola ~カフェ ドゥ ヴィオラ~|由紀さおり・安田祥子 オフィシャルホームページ

カフェ ドゥ ヴィオラ

特任講師

imageゴールデンウイーク明け、久しぶりに暖かい雨の降る5月のある日。私は草苑保育専門学校の80名ほどの学生さんの前に少々緊張して立っていました。
学校の講師として学生さんの前に立つのは何年振りでしょう。
大阪府保育士会50周年記念講演より

私は「日本人であるからこそ日本の歌をきちんと歌いたい」という思いで演奏家としてステージに立つようになり今日に至っていますが、現在は音楽が多様化し、世の中の動きも早くなり、言葉「日本語」も英語と日本語の混じった造語や短縮された言葉(極端な言い方をすれば絵文字の飛び交う画面での対話?)が使われています。美しい日本語は何処へいってしまったのでしょうか?

季節の移ろい春・夏・秋・冬4つの季節の歌、小さな物を見つめる優しい心を教える歌「めだかの学校」「ぞうさん」等、家の中で家族の関係を教える歌。ただお父さんの歌が少なくて申し訳ないけれど《お父さんはお仕事で忙しく家にはいないのですよね》(笑)お母さんの歌はもういっぱいあります。お兄さんお姉さんを歌った歌。そして手遊び歌等々。
30秒位の本当に短い歌「シャボン玉」や「肩たたき」、長くても3、4分!例えば「早春賦」や「赤とんぼ」等、日本には短い時間の中に凝縮されたよい歌がまだまだあるのです。

歌が、そして音楽がどんなに優しく心豊かにしてくれるか、又励まし勇気をももたらせてくれるか。この度、そんな思いを保育や介護の勉強をしている方々にお話する機会をいただく事が出来ました。

授業は朝9時からで、朝ご飯もきちんと食べてこられない学生(通学に時間がかかったようです)、眠そうな学生、20代から60歳の方まで。色々な経験の中でどんな音楽を楽しんでいらしたのかしら?「今日からは元気な子供達に負けないような声を出さなければ子供達はこっちを向いてくれませんよ!」そして「健康でいることの大変さ!」などをお話した後にいよいよ「声だし!」です。5月と言えば浮かんで来るのは「背くらべ」、「こいのぼり」、そして「若葉」。歌いながら言葉の意味やその背景にある想像力の大切さをお話しました。緑に囲まれたこの学校は、この日まさに「若葉」という歌がぴったりでした。雨に洗われた木々は本当に鮮やかで爽やかでしたから、、、

「出来るだけ早く歌詞を覚えて譜面を見ないで歌う事!」「自分なりの絵を描くように歌う事!」この言葉でイメージが広がり歌詞は覚えやすくなり、みなさんどんどん表情が明るくなり声も前に出て来て、眠そうだった目も声もはっきりしてきて(笑)その変化はきっと自分達でも実感出来たと思います。教える楽しみはここにあるのです!学生の皆さんにはこれからどんどん歌のレパートリーを増やして、色々な場面で歌が、 ハミングや笑顔が溢れる学校にして欲しいと思っています。6月は雨の季節。皆さんはどんな歌が浮かびますか?


2010年 5月
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